松永早苗氏コラム〈1/3〉
- 松永早苗(まつながさなえ)氏
神奈川県立保健福祉大学実践教育センター
大阪府三島救命救急センターに勤務、2000年青年海外協力隊にてパラオ共和国へ派遣される。2006年感染管理認定看護師を取得し、臨床を経て看護大学の教員となり、2021年から現職。国際緊急援助隊感染症対策チーム、日本国際看護学会理事として活動している。
実践研究担当課長兼保健福祉学部准教授
感染管理認定看護師
あらゆる角度から感染症を研究しスペシャリストを育成しながら、地域貢献活動にも力を入れています。
もしも病院や福祉施設で食中毒が発生してしまった際の対応にお困りではないでしょうか?
今回は感染症対策に精通している松永先生に記事をご執筆いただきました。
(リフレラボ事務局)
第1回 食中毒の原因と症状、治療
皆様も「食中毒」の患者や利用者に接したことがあると思います。もしくは、あなた自身が、食中毒に罹患(りかん)したことがあるかもしれません。食中毒とは、食品の製造過程における汚染や保存状態および流通や消費段階で発生するものであり、食中毒を起こす原因となる病原体が腸管内で増殖して、嘔吐や下痢、その他の症状を起こす感染症です* 1)。食中毒をおこす病原体は、主に菌やウイルス、寄生虫です。
第1回は、食中毒の原因と症状、治療についてご紹介します。