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【金 志純氏コラム】
自分の口で食べることは生きる力になる、その考え方やコツ〈1/3〉

【金 志純氏コラム】自分の口で食べることは生きる力になる、その考え方やコツ〈1/3〉

金 志純氏コラム〈1/3〉

金 志純(きむ ちすん)

CAF MOG(きゃふ もぐ)代表 / 摂食・嚥下障害看護 認定看護師

主な活動として、2014年に設立された「NPO法人 口から食べる幸せを守る会」で、理事として全国で講演や実技セミナーを開催。
2015年から日本赤十字広島看護大学摂食・嚥下障害認定教育課程で非常勤講師を務め、現在は在宅ケアで食べる事が困難な方への支援を広げていくために活動中。
食べる事に困難を感じている子どもから高齢者までが、適切なケアや支援を受けられる社会を目指し人材教育に尽力されている。
【著書】
「ケアの基本がわかる重症心身障害児の看護」共著(へるす出版)
「口から幸せをサポートする包括的スキル KTバランスチャートの活用と支援」(医学書院)

食べることと脳や身体との関係

 私たちは毎日の食事を特別に意識することなく摂っています。
しかし、実は<食べる>という行為は、脳や身体への影響がたくさんあります。
この視点から普段の<食事介助>というものを考えてみると、また少し違った側面が見えてきます。

 発達の視点から見てみると、私たちは生まれすぐの授乳期に安心と安らぎの中でミルクを飲み、離乳食を通して様々な味や触感の体験を重ねていきます。体の発達と共に食べる機能も発達し、目と手を使って自分で食べることを学習します。難しい食べ物や手づかみ、食具を使った食べ方を繰り返し経験しながら、食べ物への興味や食欲が芽生え、食事のリズムや誰かと食べることの喜びを育んでいきます。

 私たちにとって、<食べる>ことが脳や身体にどのように影響しているか、画像の脳の部位を見ながら考えてみましょう。