福祉用具の貸与・販売の選択制を新たに導入 厚労省方針 有識者会議が大筋了承
《 厚労省の有識者会議|10月30日 》
厚生労働省は30日、介護保険の福祉用具の一部を貸与で使うか、または販売で使うかを利用者が自ら選べる「選択制」を新たに導入する方針を固めた。【Joint編集部】
この日の有識者会議に、選択制の導入を盛り込んだ取りまとめ案を提示。委員から大筋で了承を得た。
今後、来年度の介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で取り上げる。具体的なルールを詰めていく計画だ。今回の取りまとめ案には、現場の関係者の意見を十分に反映して詳細な制度設計を進めるとともに、その分かりやすい周知に努めると記した。
対象となる福祉用具は、固定用スロープ、歩行器、単点杖、多点杖の4つ。これらは一般的に廉価で、例えば貸与が長期間に及んでいくケースなどでは、販売の方が利用者の自己負担が軽く済むケースもある。厚労省はこうしたメリットに加え、膨らみ続ける給付費の一定の抑制につなげる効果も見込んでいる。
◆ ケアマネが医師らに照会
厚労省は取りまとめ案に、利用者が貸与か販売かを選択するプロセスについても書き込んだ。
ケアマネジャーや福祉用具専門相談員が提案することとし、その際に医師やリハビリテーション専門職を含めた他職種の見解を反映させるべきと指摘。サービス担当者会議や退院時カンファレンスを活用したり、ケアマネが医師らに照会して意見を聞いたりする構想を描いた。
利用者が貸与を選んだ場合、福祉用具専門相談員が利用開始から少なくとも6ヵ月以内にモニタリングを行い、貸与継続の是非を検討するルールを設ける。利用者が販売を選んだ場合も、その後の一定の取り組みを事業者に促していく考えだ。利用者からの求めに応じて使用状況を確認し、必要があれば使用方法の指導やメンテナンスなどを行うよう努めてもらう意向を示した。
介護ニュースJoint提供
福祉用具の貸与・販売の選択制を新たに導入 厚労省方針 有識者会議が大筋了承(掲載日:2023年10月31日)