施設経営に直結する介護報酬、加算の算定
加算のお話になりましたので、報酬改定のお話しも少しお伺いしたいと思います。加算に向けての取り組み、大枠の部分をお聞かせください。
せんだんの丘は介護保健施設になります。ご存知のように、老健・特養そして今は介護医療院(一部、介護療養型)、基本的にはこの3つの施設類型ですが、ここで収入を伸ばすために必要なことは何かというと、事業を多角化するという方法はあるものの、基本的には稼働率と加算しかありません。稼働率は100%で頭打ちになるので、どんなに頑張っても、それ以上にはならない。そうすると、プラスアルファで収入を上げていくためには、加算にどれだけトライするか、ということになります。
収入という意味合いで「加算」という言葉を使いましたけども、本質は「加算=ケアの質」なので、ケアの質に取り組んで、利用者の方々の生活の質が良くなっていく、その結果が「加算」だと考えればいいわけです。
せんだんの丘様では、加算に取り組むというよりは「ケアの質」にこだわり続け、その結果加算が得られている、という状況なのですね。
我々としては、より高いレベルのケアを追求する、スキルを高めるということにチャレンジする、というのは当たり前のことです。逆に加算に取り組まない、算定しない、ということは、自ら「ケアの質に取り組む」という基本的なことを放棄してしまうことと同じになる。これが我々の施設の基本的な考え方です。問題は、加算に対する取り組みを施設内で職員の方々とどう合意形成を図って進めていくのか。「収入を伸ばすために」ということがありきだと、職員の方々から「負担が増えるんじゃないか?」みたいな、いろんな声が出て、うまく進まなくなる可能性も出てきます。あくまでも「ケアの質を高めるんだ」と、「そのためのトライなんだ」と、これを一貫して言い続けることが大事だと思います。施設で働く人にいろんな想いがあっても、この本質、「自分たちは何のためにケアを提供しているのか」、ここに立ち返ったときに「より良いものを提供する」ということには必然性があるので、ベクトルを合わせてスムーズに進めることができると考えています。