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【矢吹知之氏コラム】
「認知症」
職場で起こり得る事例 
ご家族への支援・対応 
認知症カフェの作り方〈1/3〉

【矢吹知之氏コラム】「認知症」職場で起こり得る事例 ご家族への支援・対応 認知症カフェの作り方〈1/3〉

矢吹知之氏コラム〈1/3〉

矢吹知之(やぶきともゆき)

高知県立大学 社会福祉学部 教授

アルツハイマーカフェの創始者べレ・ミーセン氏に師事。
認知症の人のピアサポートの場「おれんじドア実行委員」を務める。
専門は、社会福祉学、認知症介護(特に、介護家族支援)。
認知症の人と家族どちらにも偏らない関わりや支援とは何かを考えている。

 今回は認知症ケアおよび家族支援の専門家である矢吹先生に記事をご執筆いただきました。
本コラムでは、認知症患者とそのご家族が抱える感情や問題に対し、具体的なサポート方法を提案しています。皆さまの日々の業務にご活用いただけますと幸いです。(リフレラボ事務局)

1.認知症の人を介護するご家族のこころと支援方法

①ふたつの感情

 あなたを育ててくれた親。共に歩んできた配偶者。幼いころから共に育ってきたきょうだい。健康で元気なころを知っていて、いま目の前にいるその人は要介護状態。時に、あなたの顔さえも忘れてしまいます。家族 を介護するということの難しさはここにあるのです。これまでとの関係性や関わり方を変えなくてはならないのだけれど忘れられない苦しさです。その時の心の置きどころが難しく、仕方ないと思っていてもどうしても、戻るかもしれない、忘れられないという思いに苦しみます。