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【矢吹知之氏コラム】
「認知症」
職場で起こり得る事例
ご家族への支援・対応
認知症カフェの作り方〈3/3〉

【矢吹知之氏コラム】「認知症」職場で起こり得る事例 ご家族への支援・対応 認知症カフェの作り方〈3/3〉

矢吹知之氏コラム〈3/3〉

矢吹知之(やぶきともゆき)

高知県立大学 社会福祉学部 教授

アルツハイマーカフェの創始者べレ・ミーセン氏に師事。
認知症の人のピアサポートの場「おれんじドア実行委員」を務める。
専門は、社会福祉学、認知症介護(特に、介護家族支援)。
認知症の人と家族どちらにも偏らない関わりや支援とは何かを考えている。

3.共生社会を支える認知症カフェのつくり方

①認知症カフェと家族支援

 認知症カフェは、認知症の人とご家族、地域住民、専門職が地域の身近な場所に集い、リラックスした空間で展開されます。この取り組みの目的は、家族支援と認知症の人の支援、地域づくりが複合的に展開されるこれまでにない試みです。認知症カフェのルーツは1997年オランダで始まったアルツハイマーカフェであり、認知症を学び理解を深め、地域の中で認知症をタブーなく語り合うことにより、認知症への偏見を払しょくし、共に支え合う共生社会をつくるうえで大切な役割を果たすことを目指しています。しかし、現在の課題は認知症予防活動を軸にすることや、レクリエーションや運動などを軸にした、これまでのサロンやミニデイ活動と変わらない部分が散見されているところにあります。 たしかに、これまで異なる属性の人びとが集う場というものがなかったわけですから、そのイメージが湧かないということもあるのかもしれません。本来の目的を達成するためには、認知症の人もご家族も地域の方と安心して集える場所にする必要があり、そのための企画運営者である専門職等の方々の丁寧な配慮と努力が必要です。その作り方について説明をしたいと思います。