香川寛氏コラム〈2/2〉
- 香川寛(かがわゆたか)氏
特定非営利活動法人リハケアリングネットワーク理事長
作業療法士。介護保険事業、コンサルティング事業、セミナー事業を運営。ポジショニング、シーティング、ノーリフティングケアを中心に福祉用具の活用法、重度化予防のためのケア技術など、年間200回以上の研修・セミナーを開催。
一般社団法人日本重度化予防ケア推進協会理事長
法人の理念は、『歳をとっても、障害があっても「自分らしい暮らし」が保障される「尊厳のあるケア」が当たり前な地域・社会の実現に尽力する』
現場に寄り添い、介護される方の思いも汲み取り、事例を交えながらの講義で定評がある。
予防・改善のためのケアとは
一般的に現場で重度と言われる方々には主病名などが違うにも関わらず共通の状況があります。
① まず、ベッド上の状況です。やせ型で低体重の方が多く、全身に力が入り拘縮が酷い。とれる姿勢の種類が少なく同じ姿勢での体位変換となっている。
② 車いすに上手く座れず、車いす上でも過緊張であり不良姿勢になりやすい。そもそも現場に重度な方が座れる車いすが少ない。
③ ベッドから車いすに移る際は立位が難しいことにより支援者に抱え上げられての移乗になっている。移乗時に抱え上げられるため力が入りやすく、車いす上で更に不良姿勢になりやすい。車いす座位が難しいため離床の機会が少ない。
という①~③の状況が重度と言われる方々の置かれている共通の背景になっているように思います。