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【長谷川洋氏コラム】
認知症とうつ病の見分け方
〈1/3〉

【長谷川洋氏コラム】認知症とうつ病の見分け方〈1/3〉

長谷川洋氏コラム〈1/3〉

長谷川洋(はせがわひろし)

長谷川診療所院長 精神科医 精神保健指定医
日本老年精神医学会専門医
日本精神神経学会専門医

聖マリアンナ医科大学東横病院精神科主任医長を経て2006年に長谷川診療所を開院。地域に生きる精神科医として小児から高齢者まで、さまざまな精神疾患の治療とケアに従事。

認知症専門医の第一人者で、自らが認知症になったことを公表した故長谷川和夫氏のご長男。

 今回は精神科医である長谷川先生に認知症とうつ病の見分け方について記事をご執筆いただきました。症状の類似性や診断のタイミングの重要性に焦点を当てた内容であり、認知症とうつ病のそれぞれに対する理解と対応のポイントが学ぶことができます。ぜひご一読ください。(リフレラボ事務局)

第1回、認知症とうつ病が見分けづらい理由

認知症とうつ病は見分けづらい、4つの理由を述べさせていただきます。

第一に認知症のかたで抑うつ気分が併発することが多くあります。認知症は「暮らしの障害」が生じやすくなります。誰でも失敗すれば気分が落ち込みますしイライラもすると思います。認知症のかたも同じで失敗したことで気分の落ち込みやイライラが生じるかたが多いです。また失敗したこと自体は忘れてしまっても何か気分がモヤモヤする、何かひっかかる、そのような状態も生じるかもしれません。