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【松永早苗氏コラム】
熱中症にご用心!
~病院や福祉施設で
注意したいポイント~〈1/3〉

【松永早苗氏コラム】熱中症にご用心!~病院や福祉施設で注意したいポイント~〈1/3〉

松永早苗氏コラム〈1/3〉

松永早苗(まつながさなえ)

奈川県立保健福祉大学
実践教育センター実践研究担当課長
保健福祉学部准教授

 今回は認定看護師松永先生に本コラムをご執筆いただきました。熱中症がどのようにして起こるのか、そのメカニズムをわかりやすく解説されています。さらに、熱中症を引き起こす3つの要因や、症状の重さによる段階、もし熱中症になってしまった場合の適切な対処法まで、幅広くご紹介されています。病院や介護施設でケアに携わる皆さまにとって、重要な情報が満載です。ぜひご一読いただき、日々の業務にお役立てください。(リフレラボ事務局)

第1回 熱中症とは何か

 暑いまたは蒸し暑い環境にいること、もしくは、いたことにより生じる身体の障害を熱中症と言います* 1)。私が子供のころの日本家屋は、夏場でも家の中がひんやりしていたことを覚えています。しかしながら、地球温暖化により日本国内の年平均気温は、1898年~2019年の間に1.24℃の割合で上昇しています。 1910年~2019年の間に、真夏日、猛暑日及び熱帯夜の日数は増加し、冬日の日数は減少しており、特に猛暑日の日数は、1990年代半ばを境に大きく増加しています* 2)。家の中で窓を開けていても、熱風が吹き込むのみで、冷房なしには居られないのではないでしょうか。私たちは今後も、地球温暖化と向き合いながら、誰しもに起こりうる熱中症について理解を深めなければなりません。

そこで、第1回は、熱中症とは何かについてご紹介します。