NEWS

ラボニュース

【前田慶子氏コラム】
食具の工夫
~力を引き出し食べたい
思いを支援する~〈2/3〉

【前田慶子氏コラム】食具の工夫 ~力を引き出し食べたい思いを支援する~〈2/3〉

前田慶子氏コラム〈2/3〉

前田慶子(まえだけいこ)

東京慈恵会医科大学附属病院看護部師長
摂食嚥下障害看護認定看護師

慈恵看護専門学校卒業後、慈恵会医科大学附属病院に入職。
整形外科病棟の看護師長時に、栄養サポートチーム専任看護師に従事し、ここでの患者様との出会いをきっかけに、摂食・嚥下障害看護認定看護師を目指す。
現在は、摂食嚥下支援チームや看護師長として、外来・病棟看護師と連携を取りながら日々多くの患者様の食への支援をしています。

患者様の栄養管理や食べたいと思える口腔内環境をつくれるように、日々多職種と連携しながら臨床で学びを深めております。

3.食具を使う上肢の機能と疾患とのつながり

 人間にとって「食べる」行為は身体的・心理的・社会的側面でも意義があり、口から食べる行為の継続は、疾病からの回復だけでなくADL向上やQOL向上につながる。

 特に食具を使う上肢は「生活を作り出す上肢」¹)と言われ、その構造は、長骨を繋ぐ関節が良く動き、筋で覆われた中を細かく枝分かれした神経と血管が隅々まで行き渡り、関節可動域の広がりにより様々な動きを可能にする。