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【畠山誠氏コラム】
排便ケアと向き合う〈3/3〉

【畠山誠氏コラム】排便ケアと向き合う〈3/3〉

畠山誠氏コラム〈3/3〉

畠山誠(はたけやままこと)

社会医療法人恵愛会 札幌南1条病院
皮膚・排泄ケア認定看護師

「下剤だけに頼り過ぎない排便ケア」をモットーに「3日に1回は必ず便を出す」というルーチン化した排便ケアの見直しを提唱している。排泄ケアは「病院(施設)の医療・福祉食の通信簿」と捉え、対象者の栄養や日常の姿勢、生活リズムなど生活支援全般を見つめ直す重要性を伝えている。
現場ですぐに実践できる講義内容でありながら、医療・福祉職ともに分かりやすいと全国で人気。

原因に沿った対処

 「医療的な介入」という表現の捉え方について、少し主観も交えて説明をしたいと思います。この表現は、ただ単に医師に相談をして、下剤や浣腸、坐薬を処方する(我々にとってはしてもらう?)ことを意味しません。慢性便秘症には分類があり、一次性便秘症≪機能性便秘症、便秘型過敏性腸症候群・非狭窄性器質性便秘症(ひきょうさくせいきしつせいべんぴしょう)≫、二次性便秘症≪薬剤性便秘症、症候性便秘症および狭窄性器質性便秘症(きょうさくせいきしつせいべんぴしょう)≫があります。日常の診療においては、症状の観点から、便が出ない「排便回数減少型」と便が出せない「排便困難型」に分類され、この2つは合併することがあります。「便が〇〇日、出てない」という状態には、それぞれの原因があり、原因に沿った対処方法を選択する必要があることの理解が最も重要です。「長期絶食の対象者に対して毎日浣腸をして便を出す」ということが、よほど重大な医療的問題がなければ、おかしな目標設定と対応であることは皆さんと共有できるお話だと思います。