NEWS

ラボニュース

【梶川義人氏コラム】
身体拘束の適正化と
虐待の防止
〈1/3〉

【梶川義人氏コラム】身体拘束の適正化と虐待の防止〈1/3〉

梶川義人氏コラム〈1/3〉

梶川義人(かじかわよしと)

日本虐待防止研究・研修センター代表
桜美林大学/淑徳大学短期大学部兼任講師

20年間、特別養護老人ホームなどの介護施設で勤務し、処遇困難事例、家族問題担当ソーシャルワーカーとして勤務。
その後、特別養護老人ホームの業務アドバイザーを約10年間務める。
複数の大学の非常勤講師、自治体の高齢者虐待防止に関する委員会の委員、
事例対応のスーパーバイザーを務めるとともに、複数の自治体等のの社会福祉審議会委員も兼任。

人生をかけて障がい者・高齢者の虐待問題の解決に尽力されている。

 今回は虐待問題の解決にご尽力されている梶川先生に記事をご執筆いただきました。
日本国内の介護施設での身体拘束廃止に関する背景と現状の解説および各種ガイドラインの詳細に触れることで、身体拘束の適正化と虐待防止の重要性についてご理解を深めていただけますと幸いです。(リフレラボ事務局)

身体拘束廃止への歩み

 わが国における身体拘束廃止の歩みは、1980年代の先駆的な病院や施設の取り組みに始まります。そして、厚生労働省が介護保険の創設前に、介護施設における身体拘束を原則禁止する通知を出し、介護保険の施行後の平成13年度に「身体拘束ゼロへの手引き」* 1)を作成・配布したことなどにより、原則禁止の流れがかたちづくられました。