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【畠山誠氏コラム】
排便ケアと向き合う〈1/3〉

【畠山誠氏コラム】排便ケアと向き合う〈1/3〉

畠山誠氏コラム〈1/3〉

畠山誠(はたけやままこと)

社会医療法人恵愛会 札幌南1条病院
皮膚・排泄ケア認定看護師

「下剤だけに頼り過ぎない排便ケア」をモットーに「3日に1回は必ず便を出す」というルーチン化した排便ケアの見直しを提唱している。排泄ケアは「病院(施設)の医療・福祉食の通信簿」と捉え、対象者の栄養や日常の姿勢、生活リズムなど生活支援全般を見つめ直す重要性を伝えている。
現場ですぐに実践できる講義内容でありながら、医療・福祉職ともに分かりやすいと全国で人気。

施設のご利用者様、病院の患者様の排泄ケアについて、お悩みをお持ちではないでしょうか?
今回は排泄ケアの中でも特に”排便”に精通した畠山先生に記事をご執筆いただきました。
(リフレラボ事務局)

下剤による便秘ケアは望ましいのか

 便秘は高齢者に高率にみられる症状です。加齢に伴い有病率が上昇し、特に70歳以上になると急上昇します。また、直腸の感覚低下や便意を自覚する機能など、加齢による直腸や肛門の生理機能の変化が報告されています。加齢そのものが理由となるというよりは、運動量や食事量の低下、その内容の変化が主な理由です。併存疾患や常用する内服薬の影響など複数の要因が複雑に絡み合って便秘という愁訴(しゅうそ)を構成しています。このような複雑な要因を持つのが便秘であり、排泄の快適性が生活そのものに影響する比率が他の世代に比べ、大きいとされています。