第2回では理念浸透の組織的な仕組みづくりについて学びました。しかし、どれほど優れた仕組みがあっても、現場を動かす介護リーダーの行動が伴わなければ理念は根付きません。
第3回目の今回は、理念を職員の心に届けて日々のケアをより良く変えていくため、介護リーダーが取るべき具体的な4つの行動について、介護現場の事例を交えて解説します。
経営理念を浸透させる介護リーダーの行動
介護リーダーの言動こそが、現場にとって最も強力なメッセージとなります。具体的な4つの行動指針を確認しましょう。
翻訳して共有する
介護リーダーは経営層の想いを理解した上で、それを現場の言葉に「翻訳」して職員に届ける必要があります。
例えば「利用者の尊厳を守る」という理念があった場合でも、抽象的なままでは職員へ伝わりません。「食事介助の際は急がせず、本人のペースを尊重する」抽象度を下げて共有し、さらに「⚪︎⚪︎さんは自分で食べるので食事時間60分で見守る」など数値を持って行動指針にして示すと、職員は行動しやすくなります。
この翻訳には介護リーダー自身の深い理解が不可欠です。介護リーダーが現場を理解した上で言葉を伝えることが、理念浸透の第一歩になります。
自分ごと化する
介護リーダーが借り物の言葉ではなく、「自分の言葉」で語ることが組織の命運を分けます。上からの指示をそのまま流すだけの「伝言ゲーム」では、職員の心には響きません。